夜がしんしんと更けたとき、小さな子供が泣いたならば、ふかふかとした地の底で、その子の母さんが聞くだろう



エミリー・ブロンテの『嵐が丘』を読みました。


久々に、凄まじい衝撃を受けた小説でした。
本当に面白かったです。
タイトルは流石に知っていたけれど、あらすじなどは一切知らなかったのですが
結末も何もまっさらな状態で読んだのは、とても良かったと思います。


内容を知っている方にとってみれば何を今更…という感じでしょうが…
ヒースクリフとキャサリンというキャラクターが本当に素晴らしいです。というか登場するキャラクターすべてが素晴らしい。
出てくる人物の性格はどれも歪みに歪み、彼らのやりたいことは印象としては漠然としていて、
所々何をしたいのか、全く意味が分からなかったりもしましたが。
岩波文庫の表紙にもあるように、その意味のわからなさがリアルにも感じました。
あとやっぱりキャラクターの人数とその関係がごっちゃごちゃすぎて途中全然分からなくなったりもしました笑

出てくるキャラクター(特に女性)のヒステリーの表現がとても好きです。
わたしが読んだのは岩波文庫から出ている阿部知二さん訳のものだったのですが、その訳自体が古めなので言葉の言い回しがすごく面白いんです。
ヒースクリフはもちろんキャサリンや、ヘアトン、ジョセフの暴言はすごいです。
あとはヒースクリフが、キャサリンの墓を暴いたと言っていたあたりのセリフとかすんごい好きでした。
あんな経験の浅そうな女性がどうしてあんなセリフを思いつけるのだろう…!

上巻と下巻では結構大きな区切りが出来ていて、批評を見ていたら下巻は若干勢いが削がれてあまり面白くないというのを見かけました。
上巻はヒースクリフとキャサリンの話、下巻は大体がキャサリン(娘)とヘアトンの話になっているんですが、
わたしはどっちもめっちゃ好きです。

というかヘアトン・アーンショウね!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヘアトン・アーンショウがすっごい格好いいです!!!!!!!!!!!!!!!

それまではヒースクリフがすごく好きだったのですが、ヘアトンの後半の活躍で一気にひっくり返りました。
冒頭からキャサリンの死までの展開は息つく暇もなく、ただ暗く、切なく、だけどヒースクリフの燃えるような嫉妬と復讐とヒステリーの勢いでガンガン読めてしまったのですが、
後半はヒースクリフの勢いも若干抜けて、ただキャサリン(娘)に対する嵐が丘の人間の仕打ちに驚き、しかしその中にちらちらと見える、希望とは違うけれど、ほんの少しの明かりがなんとなく見えるんですね。それがわたしは好きでした。



そして極めつけはケイト・ブッシュの「嵐が丘」です。



『嵐が丘』を読む前から好きで聞いていて、ヒースクリフとキャシーという人物はこの曲の中だけのキャラだと思っていたのです。
というかそのときこの曲が「嵐が丘」というタイトルだったことすら気づいてなかったです。
それでたまたま『嵐が丘』を読んで、なんとなしに検索したらこの曲が出てきてビックリしました。
そして改めて歌詞を読み、曲を聴いて、もーボロボロ泣いちゃいました…
そういうことかーーー!!!!!!!!て感じでした。
いや、この本を読んでからこの曲聴くと全然違うと思います。
このPVも怖い怖い!!!と評判なんですが、これもちゃんと本を読めばこの歌詞とこの踊りの切実さがきっと分かるのではないかと思います…

というか、今日ウィリアム・ワイラー監督の『嵐が丘』(1939年制作)を見ていたのですが、マール・オベロン演じるキャサリンが最期にこと切れるシーン…
これに、このPVのケイト・ブッシュの表情がそっくりなんですよ。
だからきっと、優しくて、お転婆で、ちょっと高慢ちきで、嫉妬深く、すぐにヒステリーを起こす可愛らしいキャサリンは、
きっとああなんです。

そう、映画版の『嵐が丘』も見たのですけども!!!!!
素晴らしく面白かったです。
面白かったのですが、残念だったのが、原作の途中で終わってしまったところです…!!
まああれだけの物語を2時間弱に収めるのは無理だろうなとは思いましたが…

ヘアトン・アーンショウが…………見たかった………………

あと多分だいぶ無駄な部分を省いたんですね。ジョセフが普通に普通のいい人なんですよね笑
あとヒースクリフの嫉妬に燃える姿や、美しいくらいの罵詈雑言の嵐も感じられないくらい少なかったような気がします。
でもネリが本当にネリでした。あれは本物のネリだった。わたしのイメージとピッタリでした。
あとわたしの想像以上にヒースクリフがイケメンでした。イケメンすぎて描いちゃいました。↑
ほんとはもっとかっこいいよ!^◇^
映画版の方は、やっぱり原作を読んでからのほうが楽しめると思います…
『嵐が丘』の素晴らしいところを伝えきれてない気がする!!もちろんあれはあれで面白かったんですがやっぱりオチも結構無理矢理な感じだったし…!!
でも流石役者さんの演技が素晴らしかったです。
瞳いっぱいに涙を溜めて、それを零さず耐えるキャサリンは言いようもないくらいに美しかったですね。

1992年制作の映画『嵐が丘』は最後まで忠実に再現しているらしいと聞いたので、それもゆくゆくは見てみたいです!!!
ヘアトン!!ヘアトンがみたいです!!

あと誰かわたしにコミカライズさせて下さい!!!

久しぶりにこんなに語りたくなる本に出会えて良かったです…!
読んだことない方、是非是非読んでみることをオススメします!
原作で感動して、ケイト・ブッシュの曲を聴いて感動して、映画を見て感動して欲しいです。



そんな感じで、他にも嵐が丘のタイトルがついた曲をいくつか〜

鬼束ちひろ「嵐が丘」



川井郁子「嵐が丘〜ヒースクリフに捧ぐ」



坂本龍一「嵐が丘」



ALI PROJECT「嵐が丘」




映画トレーラー




鬼束ちひろさんのが今お気に入りです!すごくいい曲!

『嵐が丘』、私の中では『ドリアン・グレイの肖像』に次ぐ殿堂入りなかんじです!*^◇^*

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